20130310_IZU TRAIL Journey 2013

今年3月に出場したITJこと「IZU TRAIL Journey」の話です。
ITJとは今年が第1回大会となる伊豆半島中心部を縦断する伊豆山稜線歩道をコースのメインにした、世界の鏑木がプロデュースする約75kmのトレイルランニングレース。
日本のトレイルランの有名なレースは秋に開催が集中しており、3月開催で70km超のレースは日本では初だそうな。
実はこの伊豆山稜線歩道は所属するROD!!では美しい稜線から勝手に公認トレイルとして認定しており、2012年の夏に修善寺から天城へ大会のコースとは逆走する形で走っています。(伊豆のトレイルランセッションのエントリーを最後に当ブログの更新も途絶えてたな...w)
ROD!!からは怒涛の10名がエントリー。さらには遠方にも関わらずROD!!私設応援団もかけつけてくれた。応援団のみんなにはいつもいつも本当に感謝です。



スタート前の記念撮影 Photo by Yoshito Katsumata


[前半セクション]
5:30スタート。寒い。暗い。
渋滞を嫌いスタートダッシュを決める。どうせ渋滞に巻き込まれ嫌でも休憩するのだから多少のムリは承知の上で突っ込む、、、、が、どこまで走っても渋滞がない。もしかして渋滞発生しにくいコース?と気づいた時にはもう遅い。オーバーペースがたたりシングルトラックに入ったあたりで気分が悪くなり嘔吐。まだ10kmも走ってないだけどね!
吐き気が収まって走り出すと今度は足のつま先に痺れあり。次第に足に力が入らなくなり足が止める。まだ10kmも走ってないけどね!
不調が続きここで心が折れ早くもリタイアの4文字が頭をよぎる。
とりあえず靴紐を緩めトボトボと歩きだすと痺れが消える。よく原因が分からないまま走りを再開。そこらから二本松峠までずっと林道。ひたすら林道。距離にして15kmくらいあったかな?体調も回復してきたように思えたので少しペースをあげて林道を快走する!これまでの鬱憤を腫らすかのように次々と他のランナーを抜き去る!抜き去る!抜き去る!



は、はい、突っ込み過ぎでした。。。

レース序盤の嘔吐の影響でジェルの補給も安定していなかった事もあり、二本木峠から仁科峠まではハンガーノックに。下りはおろかフラットなトレイルでも走れず。思うように走れる事ができず弱気になり再びリタイアの4文字が頭をよぎる。と、この付近でチームメイトの神山さんに会う。神山さんも調子を落としていて苦労しているようだ。お互いの健闘をたたえ完走を誓いあった。
二本木峠から仁科峠までの区間はガマンの展開。ほとんど走れずに他のランナーに抜かれまくり。
最後の気力は仁科峠まで行けばROD!!私設エイドが待っている、その事だけが心の支え。味噌汁が飲める!フルーツが食べれる!繰り返し繰り返しそんな事を考えながら、やっとの思いで仁科峠に到着。
ROD!!エイドが視界に入った時はホント感動したな。今でもはっきり覚えてる。



[後半セクション]
仁科峠のROD!!私設エイドのおかげでなんとか気力を取り戻しレースを再開。再びゴールを目指して進みだす。



エイドを出た直後はさすがに元気がいい。 Photo by Yoshito Katsumata


稜線に出たとたんに強烈な強風にやられる。後で聞くところによると風速20mはあったらしい。走るどころか時には立っている事もままならない程の強風。おまけに今度は腹筋に力が入らなくなり踏ん張りが効かなくなる。これまであまり意識していなかったが走る時には腹筋をすごく使ってるようだ。腹筋に力が入らなくなると走れなくなるのだ。
正直このあたりからゴールまでの記憶があまりない。辛かった、記憶にあるのはただそれだけ。


75kmは甘くない。
なんとかなるって思って油断していた。完全な勘違い。前年のハセツネを完走していたが、自分にはまだ体力も経験も不足していた。トレイルランはそんな甘くないね。


ゴールだけを目指してひたすら歩き時々走りで進み続けた。。



そしてゴール。
11:32:36


世界の鏑木が迎えてくれた


間違いなく2013年でもっとも精神的に辛かったレース。その分ゴールできた時の喜びは格別。
歩みを止めなければゴールできる。諦めなければ完走の喜びを掴む事ができるのだ。
自分がトレイルランに最も求めているのは日常生活ではなかなか得る事ができない「一切の濁りのない達成感」
困ったことにITJのような不甲斐ない辛いレースであっても、諦めなければ自分はこの達成感を得られてしまうようだ。
だからトレイルランは止められないのかな。

仲間がゴールで待ってくれてるってホント嬉しいね。たぶんこのITJは応援隊が居なければリタイアしていた。応援の力ってすごい。
2012年ハセツネ、そしてITJと応援してくれたROD!!のみんなありがとう。


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